オートモーティブ・ソフトウェア・フロンティア 2016|2016年3月10日(木)、11日(金)ソラシティカンファレンスセンター 2階 sola city Hall

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タイムテーブル(2日目)

9:30~9:40 (10min)
オープニングリマークス
日本工業大学 電気電子工学科 教授
「オートモーティブ・ソフトウェア・フロンティア」プログラム委員会副委員長
於保 茂
9:40~10:30 (50min)
K-3基調講演3
高度運転支援および自動運転 ホンダの取り組み
株式会社本田技術研究所
第12技術開発室
上席研究員
横山 利夫
講演概要
  • 高度運転支援技術については、昨年から実用化しているHonda Sensingの概要を紹介する。
  • 自動運転技術に関しては、世の中の期待、研究開発の歴史、ホンダの自動運転Visionおよび研究開発状況と今後の方向性、自動運転システムに関する国際基準動向や、官民連携プロジェクトの概要を紹介する。
講師プロフィール

1979年(株)本田技研工業入社。2000年Honda R&D Americas Vice president、2003年Honda Research Institute USA President。2008年未来交通システム研究室 室長。2012年から4輪R&Dセンター上席研究員としてITS/自動運転の研究開発を担当。

10:35~11:20 (45min)
S-2特別講演2
運転支援へ向けた分析と予測~マイクロソフトの取組み~
日本マイクロソフト株式会社
シニアインダストリーマーケティングマネージャ
内田直之
講演概要

近年コネクテッドカーを中心に自動車分野にも多くの技術をご利用いただている。本講演ではこれまでの関連技術に加え、各種の走行時データによる分析及び予測を中心にマイクロソフトの取組みを紹介する。

講師プロフィール

11:20~12:30
A開場、B開場:会場転換の為、一時退出いただきます。展示会場をご覧ください。
エンジニアリング フロンティア
12:30~13:00 (30min)
A2-1講演
ソフトウェアテスト技法Calotとその実証実験の紹介
国立研究開発法人産業技術総合研究所
情報技術研究部門
研究員
北村 崇師
講演概要

高機能化が進む車載ソフトウェアは同時に複雑化・大規模化が進み、高機能化と品質保証を両立する問題は今後更に顕在化していく。本講演では、講演者らが開発するソフトウェアテスト技法Calotを紹介する。本テスト技法はシステマティックなテスト設計、及び、テスト完成度の数値化によるソフトエア品質の定量化を支援する。企業と共同で実施した実証研究についても紹介する。

講師プロフィール

静岡大学情報学部情報科学科卒、その後、同大学大学院修士課程、中国科学院で博士号を取得(Dr.Eng.)。その後、国立研究開発法人産業技術総合研究所、特別研究員を経て、2012年から現職。専門はソフトウェア検証。

B2-1講演
Simulinkモデルからマルチ・メニーコアプロセッサ向けブロックレベル並列化
名古屋大学大学院 情報科学研究科 教授
組込みマルチコアコンソーシアム 会長
枝廣 正人
講演概要

Simulinkモデルのブロック構造を抽出し、並列化を行う設計フローについて紹介する。ここではブロック構造をあらわすXML記述を策定、Simulink モデルから変換する。これに対し、自動生成コードから抽出したコード列をブロック単位で付加し、ハードウェア抽象化記述であるSHIMを用いて処理量見積を行う。その上でブロックのコア割当を行い,コード列とコア割当情報を用いて並列化コード生成を行う。モデルレベルとコードレベルを統合したXML記述により制御実装協調設計を目指している。ルネサスエレクトロニクス社と共同で進めたPILS環境により、並列化結果を制御設計者が検討、シミュレーションできる環境を構築した。

講師プロフィール

1985年 NEC 入社。LSI CADの研究開発に従事。1991年~1993年 プリンストン大学留学。クロック配線などを研究開発。元岡賞、情報処理学会坂井記念特別賞、電子情報通信学会業績賞、関東地方発明表彰発明奨励賞、科学技術分野の文部科学大臣表彰などを受賞。その後マルチコア関係のプロジェクトに参画。主に携帯電話および車載情報系用途のマルチコア向けソフトウェアの研究開発に従事。2000年ISSCCにて制御並列型マルチコアMerlotを発表。2009年携帯電話向け低消費電力化に関して地球環境大賞経済産業大臣賞を受賞。2011年より現職。並列化が困難な車載制御系のマルチコア化に関する研究開発に従事。

13:05~13:35 (30min)
A2-2講演
車載ソフトウェアの最新検証技術のご紹介 (要求仕様、モデル、コードの網羅的早期検証)
株式会社エーアイコーポレーション
組込みテスト事業部 SPQAグループ
マネージャ
植田 宏
講演概要

車載ソフトウェアはますます機能が増加、複雑化しており、単に人手をかけてのテストでは、信頼性の確保が困難になりつつある。本講演では最新の各種ツールを使用することにより、自動的、効率的、網羅的に仕様、モデル、コードの検証、およびフロントローディングを実現する方法を紹介する。

講師プロフィール

株式会社エーアイコーポレーション 組込みテスト事業部 SPQAグループ製品担当マネージャ 自動車制御ソフト、ゲームソフト開発などを経て、1998年より現職

B2-2講演
Manycore Design - Going Beyond 8 Cores 8コア以上にも対応できるスケーラブルなシステム設計とは
イーソル株式会社
執行役員 ソフトウェア技術統括責任者 兼 技術本部長
権藤 正樹
講演概要

マルチ・メニーコアプロセッサは8コアが視野に入ってきており、さらなるコア数の増加は不可避な状況にある。しかし従来のAMP的なアプローチだけでは、コア数の増減に対するスケーラビリティが課題になる。本講演では、今後のインテリジェント化する車載システムの動向におけるシステム課題を取り上げる。その上で、ハードウェアとソフトウェア両方への要求を抽出し、これらを満たしうるマルチ・メニーコアハードウェアの概要と、スケーラブルな分散マイクロカーネルを採用したリアルタイムOSの新しいアーキテクチャを紹介する。また、アプリケーションのマッピングや並列化などを支援する関連ツール技術動向についても簡単に紹介する。

講師プロフィール

1996年イーソル(株)入社。以来組込みOS 及びツール関連の開発に従事。PrKERNEL、eBinder、eT-Kernel、eT-Kernel Multi-Core Editionなどの開発に取組む。近年はメニーコアOSであるeMCOS、開発支援ツールeWeaverのR&D、マルチコア向けアーキテクチャ記述規格SHIMのWG活動、社内の技術インフラ、プロダクトマネージメントなどに関わっている。国内外のカンファレンスなどでの講演を行っている。米国Multicore Association SHIM Working Group Chair、JEITA マイクロプロセッサ専門委員、トロンフォーラムT-Kernel2.0WG幹事、NEDO技術委員、早稲田大学アドバンスドマルチコアプロセッサ研究所招聘研究員、COOLChips TPC等。 著書(共著)にはISBN:4320120256、ISBN:4885547547などの組込みソフト関連の書籍がある。

13:50~14:20 (30min)
A2-3講演
自動車ソフトウェア向けセキュリティ設計の勘所
株式会社日立製作所
研究開発グループ システムイノベーションセンタ
ユニットリーダー主任研究員
萱島 信
講演概要

自動運転の実現に向けて、自動車の開発においても情報セキュリティ対策が必要となりつつある。本講演では車載システムとクラウドが協調して動作することを想定し、情報セキュリティの脅威の発生原因と対策を概観し、セキュリティ設計のキーポイントについて述べると共に、設計アプローチを紹介する。

講師プロフィール

1989 年横浜国立大学大学院工学研究科博士課程前期修了。同年(株) 日立製作所入社。研究開発グループシステムイノベーションセンタ にてネットワーク技術、セキュリティ技術の研究に従事。2006 年よりIPA セキュリティセンター情報セキュリティ技術ラボラトリー研究員を兼務。博士(工学)。

B2-3講演
自動車から始まるビッグデータビジネス
株式会社三菱総合研究所
社会公共マネジメント研究本部
主席研究員
杉浦 孝明
講演概要

自動車は、カーナビ、ETCなどのインフォテイメント、通信機器のみならず、走る・曲がる・止まるの走行制御機能まで、様々なソフトウェアが組み込まれ、車両内で無数のデジタルデータが扱われる電子機器となっている。これら自動車内のデータの活用の仕組みを解説するとともに、将来、活用が期待される分野として、マーケティング、物流、安全、さらには自動運転などとの関連について紹介する。

講師プロフィール

1995年3月慶應義塾大学大学院理工学研究科管理工学専攻修士課程修了、同年 株式会社三菱総合研究所入社。現在、同社ITSグループグループリーダー主席研究員。

主な著書として『自動車ビッグデータでビジネスが変わる!プローブカー最前線』(株式会社インプレスR&D)など。その他、雑誌、新聞などの寄稿、テレビ、ラジオ出演多数。

14:25~14:55 (30min)
A2-4講演
車載ソフトウェア開発における脆弱性管理のアプローチ
日本シノプシス合同会社
ソフトウェア・インテグリティ・グループ
シニア・プロダクト・マーケティングマネージャ
津村 直史
講演概要

車載ソフトウェアの高度化・複雑化に伴い、車載システムの脆弱性に対するサイバー攻撃のリスクが現実の課題となっている。本講演では、サプライチェーンを活用したソフトウェア開発に潜むセキュリティの課題と、ソースやバイナリの静的解析やファジングなどの動的解析を活用した脆弱性の検査と可視化の方法について紹介する。

講師プロフィール

日本シノプシスにて、ソフトウェアのセキュリティ製品のプロダクト・マネジメントに従事。基礎研究やソフトウェア開発などの活動を経て、脆弱性検査、ネットワーク・セキュリティ、アイデンティティ管理、SIEMなどのセキュリティの技術推進を行ってきた。発明家としても活動し、数十のソフトウェア特許を取得。

B2-4講演
慎重と前衛が同居するツール制作集団が狙う次なる一手とは?
ガイオ・テクノロジー株式会社
取締役
岩井 陽二
講演概要

当社は組み込みソフトウェア品確の諸作業の自動省力化を追求し、車載業界では国内外にシェアを確立し、一定の存在感を示せているものと自負している。我々の元来技術は、ソフトウェアアルゴリズムの解析分析技術と組込み向けプロセッサに対する深い造詣であり、慎重に吟味された仕様にもとづく、高度な技術に立脚した”使えるツール”を世に送り出してきた。

他方、組込み製品および社会インフラ維持に果たすソフトウェアの役割は、我々の成長を超えた勢いで拡大しているように見える。本講演では、市場との会話を続けるために、ベンダとしての知見と、車載分野におけるプロジェクトでの経験を組み合わせ、市場との会話(ニーズ)、ツールベンダとしての志向などを考察し、ユーザのイノベーション加速に資する、ツールの種(タネ)を例示解説する。

講師プロフィール

ソフトウェア技術者から営業畑に転向した変わり種。車載関連の製造メーカーをはじめとし、国内外のソフトウェア開発のキーパーソンと交流を持つ。近年はエンジニアリングサービス部門を分掌するが、仮想検証やモデルベース開発、安全コンセプト記法研究など、業界活動は多岐にわたる。

15:10~15:40 (30min)
A2-5講演
安全性、信頼性、セキュリティの保証のための枠組み - アシュアランスケース -
国立研究開発法人産業技術総合研究所
情報システム研究部門
招聘研究員
田口 研治
講演概要

アシュアランスケースは、システムの安全性、信頼性、セキュリティを担保のために用いられる構造化された根拠資料であり、認証のために利用される。本講演では、アシュアランスケースの概要(歴史、支援ツール)から始まり、ISO 26262 におけるセーフティーケース、今後必要になるであろうサイバーセキュリティーケースについて解説する。

講師プロフィール

産業技術総合研究所招聘研究員。PhD in Computer Science (Uppsala大)。専門は高信頼性システム開発方法論(安全・セキュリティ分析、安全・セキュリティ規格の認証支援、形式検証)。アシュアランスケース、ソフトウェア工学、形式手法、安全関連の多くの国際会議の PC を歴任。

B2-5講演
オブジェクト指向異種物理系モデリング言語Modelicaによるモデルベース開発
トヨタ自動車株式会社
FP部(Future Project部)
主査
平野 豊
講演概要

異種物理系を統合して記述可能なオブジェクト指向のモデル記述言語Modelicaが、欧州を中心に1997年より開発され、近年では、多くの産業分野でのモデルベース開発への適用が広がってきている。本講演では、Modelica言語の概要と、独特の計算処理の概要、および、計算処理の特徴から可能となる並列計算処理の自動化手法や、システムフェイルモードの自動探索への展開などについて解説する。更には、トヨタ自動車FP部での将来電動化車両のモデルベース開発への適用事例について紹介する。本事例では、機械系、電気系、制御系のモデルを統合し、車両全体の挙動解析、エネルギー消費の検討に応用した。

講師プロフィール

1958年生まれ。1984年、京都大学大学院修士課程を修了し、トヨタ自動車に入社。サスペンション設計、車両運動制御、HEV制御、モデリング、人工知能、人間特性研究などに従事し、現在、次世代電動化車両のモデルベース開発に従事。Modelica言語の黎明期より欧州のキーマンと交流し、日本におけるModelica言語の普及・モデルベース開発への展開に尽力中。1997年、東京農工大学より工学博士号取得。計測自動制御学会、自動車技術会、日本機械学会、IEEEの会員。2015年、自動車技術会より浅原賞技術功労賞を受賞。

15:45~16:15 (30min)
A2-6講演
自動運転時代に向けたシステム全体最適設計からのアプローチ
株式会社エクスモーション
コンサルティング本部
エグゼクティブコンサルタント
斎藤 賢一
講演概要

組込システムは、これまでのスタンドアロンな開発からネットワークにつながるシステムとしての開発へ変化し続けている。このような環境で付加価値を提供していくには、要求からシステムの全体最適を実現するアーキテクチャをゴールとし、そのゴールに向けた現実的な開発が成功へと導く。本講演では、実際の開発現場で培った設計手法を紹介する。

講師プロフィール

大手メーカにて、構造化手法、オブジェクト指向技術を適用した組込ソフトウェアの開発、上流工程を中心としたソフトウェアの改革活動、プロセス改善活動、品質改善活動に携わる。エクスモーションでは、自動車業界をはじめ、さまざまな業界でシステム・ソフトウェア開発支援、派生開発支援など多岐にわたる支援を実施。

B2-6講演
複雑化する車載システム/社会システムへのテストアプローチ
テクマトリックス株式会社
システムエンジニアリング事業部 ソフトウェアエンジニアリング技術部 ソフトウェアエンジニアリング技術2課
課長
今井 敦
講演概要

複雑多様化が予想されるクルマと社会システムとの接点、また、車載情報端末(IVI)や接続するスマートフォンと人との接点に注目し、これらのソフトウェアに対するテストアプローチを紹介する。

講師プロフィール

コールセンターシステムに従事した後、2001年よりテクマトリックス株式会社にて、ソフトウェア品質保証に関する製品・技術の提案に取り組む。エンタープライズ分野を中心にソリューション、改善提案を行っている。

16:15~17:00
A開場、B開場:会場転換の為、一時退出いただきます。展示会場をご覧ください。
17:00~18:30 (90min)
P-1パネルディスカッション
「自動運転時代におけるソフトウェア技術の課題と展望」
自動車業界とIT業界は今後どう協調と連携を進めていくか?
パネリスト
アイシン・コムクルーズ株式会社 技術統括部
(国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構 新技術調査委員 :ITベンチャー応援団)
鈴村 延保
株式会社チェンジビジョン 代表取締役社長
平鍋 健児
株式会社 本田技術研究所 四輪R&Dセンター 統合制御開発室 第2ブロック 主任研究員
武田 政宣
株式会社三菱総合研究所 社会公共マネジメント研究本部 主席研究員
杉浦 孝明
立命館大学 経営学部 教授
徳田 昭雄
モデレーター
名古屋大学 未来社会創造機構/大学院情報科学研究科附属組込みシステム研究センター 教授
高田 広章