第3回 自動車機能安全カンファレンス 『自動運転に向けた機能安全』と『実例を含めた機能安全の実際』|2015年12月15日(火)16日(水)御茶ノ水ソラシティコンファレンスセンター

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タイムテーブル(2日目)

9:30~10:40 (70min)
オープニングリマークス
K-2基調講演2
車載組込みシステムにおける機能安全とセキュリティ
名古屋大学
未来社会創造機構/大学院情報科学研究科附属組込みシステム研究センター
教授
高田 広章
講演概要

本講演では、まず、車載システムのサイバーセキュリティをめぐる最近の話題について紹介した後、安全性とセキュリティの違いと類似点について整理し、車載組込みシステムの安全性をサイバー攻撃からも守るために必要となる分析技術や、車載システムをターゲットとしたセキュリティ技術について述べる。

講師プロフィール

名古屋大学未来社会創造機構教授。東京大学助手、豊橋技術科学大学助教授等を経て、2003年より名古屋大学大学院情報科学研究科教授。2006年より附属組込みシステム研究センター長を兼務。博士(理学)。組込みシステム開発技術の研究に従事。オープンソースのリアルタイムOS等を開発するTOPPERSプロジェクトを主宰。

10:50~11:30 (40min)
S-2特別講演2
効率的な機能安全設計の考え方(事例紹介) ~機能安全を機に設計をよりシンプルに~
ビジネスキューブ・アンド・パートナーズ株式会社
コンサルティング事業部
シニアコンサルタント
安斎 則嗣
講演概要

ISO 26262 が発行されてから4年余が経過し、開発現場での取り組みも加速している中で、『機能安全を考慮して設計するとシステムが複雑化してしまう』との相談を受ける機会が増えている。本講演では、機能安全の効果的な対応に必要な段取りや考え方を、弊社のエンジニアリング支援サービスの事例を交え紹介する。

講師プロフィール

1984年から、約30年にわたり車載関連機器サプライヤーにて、ハードウェア、ソフトウェア、システム開発に携わりトータル的な製品開発に従事した。2012年から現職、機能安全の特にエンジニアリング領域における設計業務の支援を中心として活動している。

12:40~13:40 (60min)
A3-1講演
安全とセキュリティの統合方法論(分析手法、開発プロセス)
国立研究開発法人 産業技術総合研究所
情報技術研究部門 ソフトウェアアナリティクス研究グループ
招聘研究員
田口 研治
講演概要

自動車の安全性を保証しつつ、セキュリティ上の脅威の影響を分析するためには、安全分析と脅威分析の統合が必要になります。さらに、従来の機能安全に対応した開発プロセスと、セキュリティ開発のプロセスの調整も必要になります。本講演においては、これらの分析手法、開発プロセスの統合における課題、これらの解決に必要な条件について、様々な角度から展望します。

講師プロフィール

2010年4月より現職。PhD (in Computer Science)ウプサラ大学。ソフトウェア産業界において、研究者、コンサルタントとして 12 年勤務。 大学等において、講師や特任教授として 13 年勤務(九州大学、ウプサラ大学、ブラッドフォード大学、国立情報学研究所など)。専門は高信頼性システム開発方法論(安全分析、セキュリティ分析、形式検証、国際規格認証)。

B3-1講演
機能安全対応技術 最新適用事例のご紹介 ~基盤ソフトとソフトパーティション、仮想ECU応用フォールト注入テスト~
日立オートモティブシステムズ株式会社
技術開発本部
主管技師長 電子プラットフォーム技術統括
宮崎 義弘
講演概要

本発表では、当社におけるISO 26262への対応技術とその最新適用事例を紹介する。基盤ソフトではAUTOSAR技術を適用し、安全度水準が異なるソフトを混在可とするソフトパーティションにも対応した。また、システムテストでは、テストカバレッジとテスト効率の向上を目的に、仮想ECUを応用したフォールト注入テストを適用した。

講師プロフィール

(株)日立製作所に1977年入社。以来、制御用コンピュータ等の開発に従事。現在、日立オートモティブシステムズ(株)技術開発本部にて、車載制御システムの電子プラットフォーム技術開発に従事。機能安全ISO26262に対しては、当社内の技術推進取り纏めを担当。電気学会会員、情報処理学会会員、自動車技術会会員。

13:40~14:10 (30min)
A3-2講演
快適かつ安全な自動車に向けたアーキテクチャ開発・検討とその支援
メンター・グラフィックス・ジャパン株式会社
マーケティング部
ディレクター
三橋 明城男
講演概要

従来の自動車産業はパワートレインの改良を中心に進んできましたが、今後のビジネスを牽引するのは「快適かつ安全」な自動車です。マルチコアSoCを搭載するECUやその上で稼働する車載ソフトウェア、ECUや電装部品をつなぐワイヤ・ハーネスを含めて自動車のアーキテクチャを検討する手法が求められています。このセッションでは、ECUの統合集約や機能分割に伴って発生する問題に対し、組込みソフトウェア視点と車両のシステムエンジニアリングの観点から考察し、解決策を提案いたします。

講師プロフィール

メンター・グラフィックス・ジャパン株式会社に入社して26年、半導体設計や組込みソフトウェア開発の経験をもとに、機能検証、オブジェクト指向のテストメソドロジへと範囲を広げ、現在は、自動車開発向けソリューションはじめ、メンター・グラフィックスが持つ幅広い製品ポートフォリオのマーケティングを担当。

B3-2講演
セーフティコンセプトの標準化とセキュリティ統合へのとりくみ ~和製ツールメーカーも頑張ります~
ガイオ・テクノロジー株式会社
取締役
岩井 陽二
講演概要

和製ツールメーカーとして機能安全に対応したカバレッジ計測、テスト省力化ツールは多くの支持を得ている。この立ち位置を活かし、プロセス上流のセーフティーコンセプト設計支援ツールの投入を皮切りとし、SEooC/機能安全に対応する製造メーカーの業務スタイルの整理整頓を用例あわせ提案する。

講師プロフィール

ソフトウェア技術者から営業畑に転向した変わり種。車載関連の製造メーカーをはじめとし、国内外のソフトウェア開発のキーパーソンと交流を持つ。近年はエンジニアリングサービス部門を分掌するが、仮想検証やモデルベース開発、安全コンセプト記法研究など、業界活動は多岐にわたる。

14:10~14:40 (30min)
A3-3講演
組込みシステムの開発リノベーション ~機能安全を定着させる上流設計サービス~
株式会社 日立産業制御ソリューションズ
組込みエンジニアリング事業部 事業企画統括センタ
担当部長
松尾 正
講演概要

日本では業界ごとに独特の階層構造が形成され、開発プロセスも要件定義~設計~検証を役割分担する際に、上位概念が引き継がれずに個々の最適化が図られている例が多い。一方、近年機能安全対応ニーズが高まり、特に自動車分野ISO26262では理解・維持しやすい設計書の作成や要求からテストまで一貫したトレーサビリティの確保が求められている。しかし開発プロセスの移行は開発現場にとって大きな負担であり、特に既存ソフトに対する機能安全対応にリソースを割けないことが大きな足かせとなっている。本セッションではモデル指向開発の導入や効果的な上流文書の作成を支援する私どもが提供するいくつかのサービスを実例を含めてご紹介します。

講師プロフィール

1984年入社。以来一貫して組込みソフトウェア関連業務に従事し、デジタルTV、携帯電話等の製品搭載ソフトウェアの開発取り纏め、プロジェクトマネジメントで多くの成功と失敗を経験。2008年より新技術・新技法の社内導入と技術教育などにより生産性改革を実践してきた。現在は(株)日立産業制御ソリューションズ組込みエンジニアリング事業部にて機能安全の定着を図る開発プロセスリノベーションを推進中。情報処理学会会員、ETロボコン南関東地区大会実行委員。

B3-3講演
車載電子システムにおける機能安全規格適用の効果的ソリューション
株式会社図研
EDA事業部 EE開発部
部長
稲石 浩通
講演概要

自動車用機能安全規格 ISO 26262/Part5(ハードウェア開発)で要求される各種定量評価(SPFM/LFM/PMHF算出等)を行い、評価レポートの自動生成までを支援するCR-8000 ISO26262 Verifierの活用方法、活用事例を紹介します。

講師プロフィール

1987年より、EDA業界にて電子機器の設計・検証・製造ツールおよびソリューションの開発に従事。電子機器の構想設計領域での効率化や高品質化などの企画・開発を担当。

15:10~16:10 (60min)
A4-1講演
自動車システム開発へのSTAMP適用事例
日産自動車株式会社
パワートレイン性能開発部 システムズエンジニアリング推進グループ
主担
中沢 孝志
講演概要

近年ますます激化する自動車の燃費向上、商品力向上競争を勝ち抜くため、自動車システムは機能向上とともに、システム間協調の加速により複雑化しています。QCTを確保しつつこの状況に対応するため、日産はシステムズエンジニアリング(SE)プロセスを実践しています。今回SEプロセスとMIT提唱の安全性解析に関する新手法:STAMPを融合し有効活用した事例を紹介します。

講師プロフィール

1991年新潟大学工学部卒業。同年日産自動車株式会社入社。燃費・動力性能計画、戦略立案業務、日産初の直噴ガソリンエンジン用制御開発、車両/補機協調制御開発を経て、2010年よりシステム開発プロセス革新、2013年よりシステムズエンジニアリング推進グループ主担としてプロセス改善や手法開発に取り組む。

B4-1講演
組込技術者は見た! ISO26262が我々に求めるもの
一般財団法人 日本自動車研究所
ITS研究部
主席研究員
小谷田 一詞
講演概要

30年間、様々な分野の、主としてソフトウェア開発にたずさわり培ってきた組込みシステムエンジニアから見た、自動車用機能安全規格ISO26262の求めている姿を示す。さらに、現在における開発現場の実情で散見されるリスクについて述べる。その上で、技術者として如何に行動すべきか考えるトリガーとなることを期待する。

講師プロフィール

電気メーカーのシステム技術者として組込み開発に従事、多くのシステム件名、量産件名商品を世に送り出した。欧州OEMによるサプライヤ選定で、ISO26262と関係を持つことで、JARIに転職、現在に至る。欧州カンファレンスで多数発表することによる情報収集から得た知見を元に教育、コンサルティングにより日本の組込み技術者のスキルレベル底上げに尽力中。

16:10~16:40 (30min)
A4-2講演
アイトラッキングによる安全運転支援と車載インフォテインメント
トビー・テクノロジー株式会社
代表取締役社長
蜂巣 健一
講演概要

トビー・テクノロジーは、アイトラッキング(視線計測)世界最大手です。 アイトラッキングは、ドライバーの眠気、脇見といった状態を把握することができるので、 走行中の運転リスクを検知し、走行の安全性を高めることができます。 また、ドライバーの安全に配慮した視線操作が可能なので、HMIにも活用できます。

講師プロフィール

早大法卒。伊藤忠商事に約10年在籍し、経営企画部、英国駐在、アジア生産などを経験。マッキャンエリクソンでは、グローバルIT企業を担当。その後、約10年にわたり、国内外の技術ベンチャー企業の経営に携わる。検索エンジン、デジタルメディア、アイトラッキングなど、最先端技術を軸にした事業推進に強み。

B4-2講演
TOPPERS/ATK2開発における機能安全への取り組みと、コード解析ツールの活用事例(仮)
テクマトリックス株式会社
システムエンジニアリング事業部
橘田 和仁
株式会社ヴィッツ
高信頼性PF開発部 オートモーティブ標準PF開発室
(名古屋大学 組込みシステム研究センター 常駐研究員)
伊藤 良樹
講演概要

TOPPERS/ATK2の機能安全規格対応に向けて作成した成果物や、その活動内容を紹介します。また、その際に使用したコード解析ツールの活用事例とツールベンダーの取り組みについてご紹介します。

講師プロフィール

橘田 和仁 氏

1976年 千葉県出身。元組み込み系プログラマ。 2004年からテクマトリックス株式会社に勤務。 ユニットテストの啓蒙を中心にソフトウェアの品質改善活動に従事。

伊藤 良樹 氏

2012年株式会社ヴィッツに入社.機能安全開発や,組込みセキュリティの研究事業に従事。2014年より、名古屋大学組込みシステム研究センターの常駐研究員として、車載システム向けのOSであるTOPPERS/ATK2の開発に従事。主に時間保護OSに関する研究開発を行っている。

16:40~17:10 (30min)
A4-3講演
パーティショニング vs. プロテクション ミックスド・クリティカルなHW/SWアーキテクチャに有利なのはどちら?
株式会社アドバンスド・データ・コントロールズ
営業本部
ビジネス開発 FAE
名知 克頼
講演概要

近年ますます多様化する車載電子システムに対するひとつソリューションとしてミックスド・クリティカリティシステムが注目されています。H/WとS/Wを問わず、そのようなアーキテクチャを担う最適な手段としてパーティショニングとプロテクションが挙げられます。本セッションではISO26262のASILレベルを題材に、どちらがより有利かという命題を解いていきます。

講師プロフィール

株式会社アドバンスド・データ・コントロールズに在籍し、主に自動車用途向けソフトウェア開発に関わるツールの拡販に従事。現在、ソフトウェア開発の立場から機能安全を考慮したソフトウェアのあり方を検討しています。前職において機能安全対応マイコンの企画業務やこのマイコン応用製品のソフトウェア開発環境整業務にも従事。

B4-3講演
機能安全開発の現場支援の紹介(仮)
株式会社OTSL
第1事業部
部長
山本 輝俊
講演概要

弊社が開発現場に対してどのような機能安全支援のアプローチをしているか、これまで取り組んできたことから分かった開発現場の困りごとや解決例などを紹介する。

講師プロフィール

自動車会社やサプライヤの開発現場においてISO 26262の機能安全設計、および、教育講師等に従事。